NHK紅白歌合戦のユーミンとスタジオジブリ【松任谷由実】【宮崎駿】

映画
『風立ちぬ』予告編特別フィルム 4分13秒

平成を締めくくった「紅白歌合戦」

2018年大晦日、平成最後の「紅白歌合戦」の視聴率は後半41.5%で良い結果を残した。

私も前半・後半と、久々に飽きずに通して見ることができた。

サザンの桑田もすごかったが、その桑田にキスをして共に「渚のシンドバッド」を歌いまくるユーミンが、何と言っても1番の功労者だろう。

ユーミン自身は2曲披露する。1曲目は「ひこうき雲」。ユーミンのデビューアルバム「ひこうき雲」の代表曲だ。アルファレコード創立者の村井邦彦がデビューさせ、歌のうまくないユーミンは当時のディレクターに歌い方を厳しく指導されたのは有名な話だ。

紅白ではNHKホールで歌わず別収録とわかるセットで歌っていたので、2曲目の「やさしさに包まれたなら」でNHKホールに登場した時は、ステージの出演者たちも騒然とする。

以前の紅白でもNHKホールで歌ったことがあるのだから、よく考えれば予想できたことなのだが。ユーミンの登場で涙を流すaikoなどがユーミンを神格化していく。

バックバンドがまたすごかった。夫の松任谷正隆がキーボード、ベースに小原礼、ギターは鈴木茂、ドラム林立夫で、細野晴臣がいないのが残念だったが、アルバム「ひこうき雲」のバックミュージシャンで、伝説のバンド「ティン・パン・アレイ」のメンバーだ。

紅白の中で彼らを取り立てて紹介しないのもおしゃれな演出だった。

「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」の2曲にピアノとオルガンで参加していたのが武部聡志で、ユーミンのコンサートの音楽監督やフジテレビの名音楽バラエティー番組「堂本兄弟」でも活躍した、日本の代表的音楽プロデューサーだ。

平成の締めくくり、という殺し文句で紅白出場を決めたミュージシャンたち。自身の引退場所に紅白を選ぶ歌手よりよっぽどかっこいい。

個人的にベストパフォーマンスは島津亜矢の「時代」。

多くの歌手がカバーする楽曲だが、最高の「時代」だった。紅白歌唱後、彼女のHPにアクセスが集中しすぎてダウンしたそうだ。紅組が勝つと思ったが、ジャニーズ組織票の影響か、白組の勝利になったのは後味が悪かった。

スタジオジブリ作品に提供された2曲

「やさしさに包まれたなら」は、「魔女の宅急便」のエンドロール曲。ユーミンが好きだった宮崎駿サイドからのオファーで、オリジナルはかなわなかったものの映画との相性は素晴らしく、この曲を聴くと小さな魔女の主人公・キキの顔が思い浮かぶ。

「魔女の宅急便」は1989年に公開され、この作品でスタジオジブリの名が一気に上がる。宮崎駿独自の少女観、街並みや景色が圧巻のアニメ、客寄せタレントを使わない声優陣など、私の中ではナンバーワンジブリだ。

「ひこうき雲」は宮崎駿最後の長編と言ってしまった「風立ちぬ」のテーマ曲だ。

宮崎駿とユーミン、2人のカリスマが組んだのは当然の成り行きだったのかもしれない。

作品の中心に“ひこうき”があり、空に浮かぶ“ひこうき雲”と結びつき、アニメと歌のはかなさが絶妙にマッチする。

子どもたちには難しかったテーマであったが、宮崎駿の平和への願いがこもった映画だった。彼の描くアニメが素晴らしいのは周知の事実だが、優れたアニメーターというのは、アニメを通して何を訴えるのか、というのが大きな仕事である。

その意味で宮崎駿を超えるアニメーターが出てくるのはそう簡単なことではなさそうだ。

平成の象徴となったユーミンとジブリ。今後、益々増え続けるコンテンツの中で、この2大ブランドは末永く1人ひとりの心に刻まれ続けることだろう。

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